2008年07月25日

みかんの花咲く丘

22011629_1733_2.jpg                     2006/11/03 06:00 

平成18年1月22日“我等が時代”を象徴する童謡歌手の川田正子さんが71才で急逝した。敗戦の年である昭和20年に外地から復員船に乗って帰国する兵隊さんを迎える「里の秋」を歌い、昭和21年には、今でも歌い継がれている「みかんの花咲く丘」を歌い、翌昭和22年ラジオドラマで人気を博した復員兵と逞しく生きる浮浪児達の物語「鐘の鳴る丘」を歌った“あの童謡歌手”である。

ラジオしかなかった、あの時代、ラジオから流れる「音羽ゆりかご会」の子供達の声に聞き入ったものである。延々と流れる「尋ね人の時間」の後の歌声ほど人を慰めたものはない。まさに「時代のメロディー」そのものである。さらに、川田正子さんは、今では「汽車汽車シュッポシュッポ」となってしまったが、元歌の「兵隊さんの汽車」を歌って出征兵士を元気ずけた歌手でもある。もともと「兵隊さんの汽車」は「僕等を乗せて」ではなく「兵隊さんを乗せて」である。さらに「走れ走れ」ではなく「万歳 万歳」である。戦後すぐに小賢しい奴達がGHQを恐れてコソコソと変えてしまったのだそうだ。この事についてサオウ・ハチローが自分で書いた詩でないのに、激怒していたのを今でも覚えている。アノ時から、江藤淳の言うところの「閉塞する言語空間」が始まったのではないだろうか。今に続く、他国の大使館に「ご注進、ご注進」と言って駆け込むメディアや文化的進歩人と言われる者達の“姑息な”真の姿である。

それはさておき、昨年たまたま、団体旅行で伊豆の伊東温泉に行き、山手の高台に位置する「ホテル聚楽」という宿に泊まった。山々の蜜柑畑ごしに相模湾を一望出来、さらに遠く伊豆大島を見渡せる絶好の宿であった。何気なく風呂上りに中庭を見ると、眺望の良い所に一つの碑が建っている。碑文を読み、この宿が「みかんの花咲く丘」そのものである事に感動した。「音羽よりかご会」を主宰する作曲家の海沼実と当時12才の川田正子ちゃんが、地元出身の作詞家加藤省吾の歌詞に曲をつける為に来たそうだ。NHKは、まだJOAKと言っていた頃、実況放送のことを二元放送と言っていた。翌日、伊東国民小学校の校庭からの二元放送の予定だったという。だが、海沼実のメロディーはまだ出来ていない。海沼実と川田正子は風呂場で背中を流しながら「みかんの花咲く丘」を完成させたという。その放送が全国に流れ、そして今も歌い継がれている。

伊東温泉で何か大切な宝物を見つけた思いであった。同年輩の者にとっては、「川田正子」「兵隊さんの汽車」「里の秋」「みかんの花咲く丘」「鐘の鳴る丘」というキーワードで昭和20年に思いを馳せる事が出来る。思い出話にも多くの花が咲いた旅であった。歌と言うのは、自転車のりと同じく何時までたっても忘れないものである。 たまには、昔を偲んで童謡でも口ずさんでみては、いかがだろうか。

            兵隊さんの汽車

汽車汽車しゅっぽしゅっぽ しゅっぽしゅっぽっぽ 兵隊さんを乗せて しゅっぽしゅっぽしゅっぽっぽ 僕らも手に手に日の丸の 旗を振り振り送りましょう 万歳万歳万歳 兵隊さん兵隊さん万々歳            

               里の秋


    静かな静かな 里の秋    お背戸に木の実の落ちる夜は     ああ母さんとただ二人    栗の実煮てますいろり端     さよならさよなら椰子の島    お船にゆられて帰られる    ああ父さんよ御無事でと    今夜も母さんと祈ります      

               みかんの花咲く丘

1.みかんの花が 咲いている  思い出の道 丘の道  はるかに見える 青い海  お船がとおく かすんでる


    
2.黒い煙を はきながら  お船はどこへ 行くのでしょう  波に揺られて 島のかげ  汽笛がぼうと 鳴りました

3.何時か来た丘 母さんと  一緒に眺めた あの島よ  今日もひとりで 見ていると  やさしい母さん 思われる                     


              鐘の鳴る丘(とんがり帽子)               


1 緑の丘の 赤い屋根 とんがり帽子の 時計台鐘が鳴ります キンコンカンメイメイ小山羊も 鳴いてます風が そよそよ 丘の家黄色い お窓は おいらの家よ

2緑の丘の 麦畑おいらが 一人で いる時に鐘が鳴ります キンコンカン鳴る鳴る 鐘は 父母の元気で いろよと いう声よ口笛 吹いて おいらは 元気

3 とんがり帽子の 時計台夜になったら 星が出る鐘が鳴ります キンコンカンおいらは かえる 屋根の下父さん母さん いないけど丘のあの窓 おいらの家よ

4 おやすみなさい 空の星おやすみなさい 仲間たち鐘が鳴ります キンコンカン昨日に まさる 今日よりもあしたは もっと しあわせにみんな仲よく おやすみなさい       
                                     
posted by 語り部同人 at 15:26| 語り部倶楽部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。